【社会現象アニメ5選を考察】時代ごとで比べた結果、意外な事実が判明!?

前書き〜社会現象の定義〜

 いつからかテレビアニメは、子供や特定のマニアだけが見るものでは無くなり、作品によっては年齢や性別を問わず視聴され親しまれています。
 そんな折、時に世代を代表するような人気を博した、伝説的なアニメ作品が生まれて多くの人から注目を浴びることがあります。

 この記事では大まかな世代ごとに社会現象を起こした人気作品をピックアップ。
 そのアニメ作品が人々にもたらした影響を簡潔にご紹介します。

 ここでの「社会現象」とは

 ・アニメファンでなくとも一度は目にしたことがある
 ・多くの人が名前くらいは知っている
 普段アニメは見ないけどこれだけは見た

 以上いずれかのレベルにまで広まった知名度。
 またアニメ業界やファン層に与えた影響力を重視して選定いたしました。

 決して、ここに取り上げなかった作品の人気が劣っているというものではありません
 あらかじめご理解ください。

 この記事を通じて、少しでも皆さんのアニメライフが豊になれば幸いです。
 それでは早速、本文をどうぞ。

① 1970~80年代:『機動戦士ガンダム』(1979年)

テスト

画像:amazon より

人気になった理由

  1. リアルな戦争描写と重厚なストーリー
    • それまでの勧善懲悪のロボットアニメとは一線を画し、戦争のリアルさや人間ドラマを描いた。
  2. プラモデル(ガンプラ)ブームの影響
    • 放送当初は視聴率が低迷していたが、プラモデルが爆発的にヒットし、再放送や映画化で人気が定着。
  3. 「ニュータイプ」などの独自の世界観
    • 既存のロボットアニメの枠を超えたSF的要素や戦争哲学が、多くのファンの心をつかんだ。

 「機動戦士ガンダムシリーズ」は長きに渡りシリーズ作品を生み出し続けている今でも現役のコンテンツです。その長命さと熱狂的なファンの多さから、間接的にでも一度は名前を聞いた事があるのではないでしょうか。

 ガンダムが人気でい続ける所以は、共通の名前と存在を冠したシリーズ作品であるにも関わらず、常に新しく作り替えていき、さまざまな層へのアプローチを続けてきた所にあると思います。
(それゆえに「どれを観たらいいか分からない」という、敷居の高さにもつながってしまうのが痛い所ですが……)

② 1990年代:『新世紀エヴァンゲリオン』(1995年)

画像:amazon より

人気になった理由

  1. 深遠で難解なストーリー
    • 宗教的・心理学的なテーマが織り込まれ、考察要素が多く、ファンを熱狂させた。
  2. キャラクターの心理描写
    • 主人公・碇シンジの内面的な葛藤を描き、従来のヒーロー像とは異なるアプローチを採用。
  3. 商業戦略とメディアミックス
    • 放送終了後も多くの関連作品やグッズ展開が続き、社会現象として長く影響を与えた。

 エヴァンゲリオンは作品そのものよりも、魅力的な登場キャラクターインパクトのある台詞を中心にして世間に広まった印象があります。

  • 主人公 碇シンジの 「逃げちゃダメだ…」「笑えばいいと思うよ」
  • ヒロイン 綾波レイの「あなたは死なないわ、私が守るもの」
  • ヒロイン 惣流・アスカ・ラングレーの「あんたバカァ!?」

これらが芸人さんのモノマネコスプレ、アニメ特番などを通してメディア露出の機会を得た事が、エヴァンゲリオンが類まれなる知名度を獲得した要因の一つと言えるのではないでしょうか。
 その影響で「本編は見たことがないけどセリフは知っている」「キャラクターは見たことある」という方も多いはず。

 他にも「ATフィールド」「セカンドインパクト」「初号機」など、特徴的な世界観を構築するワードや演出は、他アニメのパロネタトークで登場するとつい印象に残ってしまいますよね。

 また魅力的な登場人物の多さから、言葉はなくとも「推し」という概念が生まれ始めたのもこの頃ではないかと思っています……流石にそれはもっと前ですかね。

③ 2000年代:『涼宮ハルヒの憂鬱』(2006年)

画像:amazon より

人気になった理由

  1. 斬新な構成と映像演出
    • 放送順を時系列ではなくシャッフルする手法が話題となり、ファンの考察を呼んだ。
  2. ネット文化との親和性
    • 「ハルヒダンス」(エンディングテーマ『ハレ晴レユカイ』)がネット上で爆発的に流行し、動画投稿文化を後押しした。
  3. 萌え文化の加速
    • 涼宮ハルヒや長門有希などの個性的なキャラが、アニメファンの間でカリスマ的人気を得た。

 「萌え」という言葉が世間に広まり、声優にも脚光があたり始めた時期。
 その筆頭とされていたのがこのアニメ作品です。

 ネットへの動画投稿文化の発達に伴い、映像コンテンツが身近なものになり始めました。
 その影響もあり、これまで表にはあまり顔を出さない影の存在だった声優が、顔出しでメディア露出を始めるようになったように思います。

 近年では有名バラエティ番組の「踊るさんま御殿」に新人、ベテランを問わず注目声優が呼ばれるようになったり、トップ声優ともなればゴールデンタイムの人気番組にレギュラー出演をするなど、当時では考えられないような進出を果たしています。

 現在の人気声優は声や演技力に加え、容姿、歌唱力、トーク力などアイドルやマルチタレントじみた要素が求められています。

 『ハレ晴レユカイ』が大ヒットしたことにより、声優さんが出演キャラクターとして楽曲を歌う「キャラソン」がCD売り上げの上位にランクイン。世間の目に触れるようになりました。
 この頃から、声優さんによるライブイベントが増え、昨今では当たり前になってきているアイドル声優文化の先駆けとなった作品でもあると思います。

 萌えアニメの認知度や声優業界に大きな影響を与えた一作と言えるでしょう。

④ 2010年代:『進撃の巨人』(2013年)

画像:amazon より

人気になった理由

  1. 衝撃的なストーリー展開
    • 巨人による圧倒的な絶望感、キャラクターの容赦ない退場、予測不能な展開が視聴者を引きつけた。
  2. 作画とアクションの迫力
    • WIT STUDIOによるハイクオリティな作画、立体機動装置を活かした戦闘シーンの演出が高評価を得た。
  3. グローバルな人気
    • 海外の視聴者にも受け入れられ、Netflixなどの配信サービスを通じて世界的にヒットした。

 進撃の巨人は主題歌が大々的な演出で紅白出場を果たしたり、人気バラエティ番組のアメトーークで「進撃の巨人芸人」の企画が組まれるなど、多方面でメディアに取り上げられて注目されましたよね。

 2021年原作漫画が完結。2年後の2023年に全話のアニメ化を終え、その幕を閉じました。

 冒頭のインパクトに負けない詳細に作り込まれた世界観。複雑に張り巡らされた伏線。敵味方が入り乱れるあっと驚くような怒涛の展開。胸熱シーンの数々。
 その全てに、ファンは最後まで魅了され続け、アニメ1期が放送された2013年から10年という時の間、人気を維持し続けました。

 人気を後押しした要素として、サブスクリプション形式の配信サービス、YouTubeなどの動画投稿サイトが広く普及した事があげられます。
 その影響もあり海外配信者によるリアクション動画といった、新しい形式の動画スタイルが確立しました。

 進撃の巨人はその知名度、クオリティーの高さ、インパクトの強さから動画撮影の題材に選ばれやすく、より多くの人たちと面白さを確認し合う機会に恵まれていたのかもしれません。

⑤ 2020年代:『鬼滅の刃』(2019年~)

画像:amazon より

人気になった理由

  1. アニメーションの圧倒的クオリティ
    • ufotableの卓越した映像美や戦闘シーンが話題となり、特に劇場版『無限列車編』は日本映画史上最高の興行収入を記録。
  2. 幅広い世代に刺さるストーリー
    • 「家族の絆」「復讐と成長」「努力・友情・勝利」 などの王道の少年漫画の要素が幅広い層に受け入れられた。
  3. SNSとバズ効果
    • 名シーンや主題歌『紅蓮華』がSNSで拡散され、視聴者の関心を呼び続けた。

 鬼滅の刃は、その名を知らない人はほぼいないと言っても過言ではないほどに大ヒットしましたね。
 コミックスは品薄状態が続き、関連グッズは飛ぶように売れました。普段アニメを見ないような人でも、「鬼滅だけは見た」という声を多く聞きました。

 まさに社会現象。その要因として1番強かったのは、SNSを通じて広まった家族全員で見れる面白いアニメという所でしょう。
 アニメはその性質上、楽しむためには時間場所を確保するという縛りがどうしてもあります。
 仕事、家事、育児、学校、勉強……1人の自由な時間を取りにくい一般家庭においては、それがどうしてもネックになってしまいます。

 子供もお父さんもお母さんも、世帯によっては祖父母もファンになった鬼滅の刃は、アニメを楽しむ時間を家族で共有できる稀有な存在です。
 むしろ周りの話題についていくためにも率先して視聴したほどでしょう。

 『視聴する時間を確保する』というアニメが持つ唯一のウィークポイントを解決した事が、記録的な大ヒットを生む重要な要因だったのではないでしょうか。

まとめ

社会現象を起こしたアニメを考察していく中で、それらの作品にはある共通点があることに気がつきました。

『面白い作品であること』+『何らかの形で多くの人の目に触れること』

これは当然といえば当然のことではありますが、興味深く感じたのはその何らかの部分が、以下のように変化し違っていたことでした。

  • 機動戦士ガンダム → ガンプラブーム、長期に渡るシリーズ化
  • エヴァンゲリオン → キャラクター人気、考察文化
  • 涼宮ハルヒの憂鬱 → ネット拡散(主題歌バズ)、萌えアニメ文化
  • 進撃の巨人    → 海外人気、サブスク文化
  • 鬼滅の刃     → SNSバズ

 これから先、どのようなきっかけで社会現象アニメが誕生するのかも注目すべきことですね。

 昨今のアニメ業界はハイエンドとも思えるほど、映像技術の醸成が進みました。
 それを視聴する人たちも、アニメ文化に親しみを持った世代が多くなってきています。
 SNS、インターネットを通じて人と人とのつながりがより手軽に、より広く、よりダイレクトになっていくように変化してきています。

 もし次に社会現象を起こすアニメが誕生する時が来たら、今度は今までよりもっともっと大騒ぎになるでしょう。楽しみですね!

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